青森市内で株式会社を設立しようとお考えの方のために設立登記の流れ、必要な書類などを解説しています。

株式会社設立登記のおおまかな流れ

株式会社を設立するには、青森地方法務局に設立登記の申請をしないといけません。

事前に取締役を何人おくか、代表取締役をどうやって決めるか、監査役をおくかなどについて決めておく必要があります。

また、申請にはいろいろな書類が必要になります。

その中でも定款(ていかん)が重要です。定款とは簡単に言うと会社のルールブックのようなものです。

定款には、会社名、会社の住所、どんな事業をするかなどを記載します。

定款は作っただけではいけません。公証役場(青森市長島にあります)で定款を認証してもらう必要があります。

定款を認証した後、資本金を銀行口座に振り込み、「払い込み証明書」というものを作成します。払い込み証明書も申請書類になります。

申請書類をそろえたら、青森地方法務局に申請します。ちなみに申請した日が会社の設立日となります。

以上がおおまかな流れです。

 

株式会社設立のメリット

株式会社を設立するとおおくのメリットがあります。

1.社会的な信用が高い

簡単になれる個人事業主とはちがい、株式会社のほうが対外的な信用力があります。

いまだに株式会社ではないと取引しないという仕入先や取引先もあります。

もちろん、銀行から資金も借りやすくなります。

2.決算月を自由に決めることができる

個人事業主のケースですと、事業年度は1月から12月と決まっており、変更することはできません。

しかし、株式会社ですと年度のどこでも自由に決めることができます。

3.節税できる

株式会社にすると個人事業主ではできなかった節税ができるようになります。

経費の幅が増える

個人事業主とはちがい、株式会社だと経費で落とせる幅が広くなります。たとえば、自分や家族への給料、生命保険料、退職金が経費として計上できます。

法人税と所得税では法人税のほうが有利

個人事業主ですと売上にかかるのは所得税です。所得税は累進課税といって所得が増えるのに比例して、税率もあがっていきます。

逆に株式会社ですと売上にかかるのは法人税になります。法人税はほぼ一定税率ですので、売上があがるからといって、それにつれて税率もあがるということはありません。

損失を9年間繰り越しできる

設立当初は赤字になることが多いと思います。損が出ても株式会社ですと損失を9年間繰り越すことができます。

たとえば、初年度に300万円の損失、そして、2年目は200万円の利益が出たとします。

初年度の損失を繰り越せないと、2年目の利益にはまるまる法人税がかかってしまいますが、初年度の損失200万円で相殺することで法人税を0にすることができます。

この損失の繰り越しを9年間することができます。

株式会社に相続税はかからない

個人事業主が亡くなると相続となります。事業である程度の財産が残ったら、相続税がかかるかもしれません。

しかし、株式会社のケースでは、たとえ代表取締役が亡くなっても、株式会社に相続税がかかるということはありえません。

あくまで代表取締役個人の財産に相続税がかかります。たとえば株式会社名義の土地建物には相続税がかかるということはないのです。

 

株式会社のデメリット

もちろん、株式会社設立はメリットだけではありません。デメリットもあります。

 

1.赤字でも税金がかかる

赤字でも法人住民税は支払わないといけません。毎年、約7万円ほどかかります。

 

2.社会保険の加入が義務

株式会社では、社長がひとりで従業員がいなくても健康保険と厚生年金保険に加入しないといけません。

また、従業員を雇っている場合、従業員の保険料の半分は株式会社の負担となるために従業員が増えるにつれて負担も増えます。

3.設立、解散に登記費用がかかる

株式会社の設立登記には最低でも15万円はかかります。そのほかにも定款の認証で5万円かかります。

また、株式会社を解散する際にも約4万円かかります。

 

設立登記(発起設立)に必要な書類

設立登記は発起人(ほっきにん)がします。発起人とは簡単に言うと会社を設立しようとしている人です。

設立前はまだ代表取締役がいないので、発起人が法務局に申請します。

設立には、大きく言えば、定款の作成、資本金の出資、役員の就任が必要です。

これらをちゃんとやりましたということを書面で証明しないといけません。

仮に取締役が1人だけで監査役などもいないケースで必要な書類をあげてみます。

◇ 定款

定款は会社のルールブックのようなものです。次のものを必ず記載しないといけません。

  • 事業の目的
  • 商号
  • 会社の住所
  • 設立時に出資する財産の額
  • 発起人の氏名と住所

定款にはそのほかにも発行する株式の数や広告する方法なども記載します。

定款は作っただけでは無意味です。作成した定款を公証役場で認証してもらわないといけません。

認証済みの定款が提出書類となります。

◇ 印鑑届書

いわゆる会社の実印を届けます。印鑑そのものはもちろん提出しませんが、印鑑届書に押印して印影を法務局に提出します。

 

◇ 払い込みがあったことを証する書面

定款の認証が終わったら、資本金を発起人名義の口座に振り込みます。資本金の額はいくらでもいいです。

振り込んだのちに通帳に記帳し、通帳の裏表、名前が書いてある1ページ目と振り込みが記帳されているページをコピーします。

そして、払い込みがあったことを証する書面を作成します。

この書面は、資本金の振り込みが確かにあったことを代表取締役自身が証明するものです。代表取締役印で押印します。

そして、通帳のコピーと書面をホチキスで止め、通帳のコピーに代表取締役印で契印したら出来上がりです。

 

◇取締役の就任承諾書

設立する会社の取締役に就任することを承諾したことを証明するものです。代表取締役は個人の実印を押します。

 

◇代表取締役の印鑑証明書

代表取締役は就任承諾書に実印を押すので印鑑証明書も必要です。

 

◇委任状

設立登記を司法書士に代理してもらったら、委任状も必要になります。委任状には代表取締役が署名して、会社の実印を押印します。

 

設立登記にかかる費用

設立登記には以下の費用がかかります。

◇定款に貼る印紙代

定款には印紙4万円分を貼らないといけません。しかし、電子定款ですと印紙を貼る必要はないので、4万円分節約できます。

ほとんどの司法書士は電子定款に対応しています。

◇定款の認証代

定款の認証には、公証人への手数料として5万円かかります。

 

◇登録免許税

法務局に登記申請するさいに納めます。資本金の額×7/1000になりますが、この額が15万円に満たない場合は、15万円になります。

つまり、最低でも15万円かかります。

 

◇代理人への報酬

司法書士、行政書士、税理士が会社設立を業務としていますが、それぞれ特徴があります。

税理士のケースだと、報酬はほぼタダというところも珍しくありません。というのも、同時に顧問契約も結ぶのが条件になっているからです。

顧問契約は月額でいくらという具合です。

司法書士ですと、東北地区の平均で10万円ほどです。

行政書士は定款までは作成できますが、登記申請はできません。定款の作成に対し報酬がかかります。

税理士も行政書士も登記申請はできませんし、登記申請に関する知識は司法書士のほうが一般的に優れていますので、

会社設立ならば司法書士に頼むのがおすすめです。

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