相続放棄の落とし穴

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司法書士さいとう司法書士事務所
青森市大野でさいとう司法書士事務所を経営している代表齋藤洋介です。 相続を中心として業務を行っています。 趣味は自転車(ロードバイク)、青森市内のラーメン店巡り、司馬遼太郎の小説を読むことです。

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相続放棄の落とし穴

今回はうかつに相続放棄をしてはいけないというお話になります。

知ってる人は知ってることなので新しいことではありませんが、業務日誌として残しておきます。

さて、被相続人が残した債務、借金を相続人が引き継がないといけないのは理不尽なので、相続放棄ができます。

しかし、いくら借金があるとはいえ、財産がまったくないということでもないでしょう。

銀行通帳には生活費は多少なりとも残っているだろうし、自動車も所有していたかもしれません。冷蔵庫やタンスといった家財道具一式。そして不動産も。

借金 > 財産 だからといってうかつに相続放棄をすると思わぬしっぺ返しをくらうかもしれません。

少し立ち止まって考えてほしいことがあります。

それは相続人全員が相続放棄をした後の財産の行方です。

通帳や自動車は誰が保管するのか、特に不動産はどうなるのか。

動産などは相続放棄後も結局、相続人が保管せざるを得ないかもしれません。

建物や土地はそのまま放置しておくことが多いようです。

というのも、被相続人名義のままでは不動産を売ることも贈与もできないからです。

いったん、相続人に名義を移さないと不動産を動かすことはできません。

しかし、肝心の相続人が誰もいないので、移しようがないのです。

結果、家の中にある家財道具一式とともに何年もほったらかしせざるを得ないということになります。

数年は問題はおきないでしょうが、土地はともかく建物は時の経過とともにどうしたって老朽化していきます。

外壁が剥がれたり、屋根に穴があいたり。

近所に今にも倒壊しそうな空き家とかを見かけたことはないでしょうか。

意外とそういう空き家も相続放棄で生まれた空き家かもしれません。

外壁が崩れただけではまだいいのですが、さらに老朽化していって、地震などで倒壊して隣家も巻き添えにしてしまったら、だれが責任をとるのでしょうか。

実は相続人が全員相続放棄をした場合、責任をとらないといけないのは、相続放棄をした相続人です。

何を言ってるのか訳が分からないかもしれませんが、

言い方を変えると、相続放棄をしても管理責任は残ってしまうということです。

管理責任についてくわしく知りたいかたは下記の記事をご覧ください。

関連記事【相続放棄をしても引き継ぐ空き家の管理責任

全員が相続放棄をした後に空き家を処分するのは面倒です。

というのも、管理責任があるといっても相続放棄をした以上、空き家に手を付けられないからです。

一番手っ取り早いのは、行政代執行です。

行政代執行で市や町といった自治体が倒壊しそうな空き家を解体してしまいます。

しかし、よほど倒壊の危険性がある建物にしか自治体は動かないようです。

となると、相続人が動くしかありません。

この場合、家庭裁判所で相続財産管理人を選任して、相続管理人に空き家を処分してもらうという手はずになります。

何にせよ、めんどくさいです。費用も労力もかかりますし。

相続放棄はお手軽なんですが、特に被相続人に不動産があるときは注意してください。

のちのち面倒なことになりがちです。