結局、相続、生前贈与のどれがいいのか

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司法書士さいとう司法書士事務所
青森市大野でさいとう司法書士事務所を経営している代表齋藤洋介です。 相続を中心として業務を行っています。 趣味は自転車(ロードバイク)、青森市内のラーメン店巡り、司馬遼太郎の小説を読むことです。

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相続と贈与

親子間で不動産の名義変更をする際に、悩むのが相続と贈与のどちらがいいかです。

「相続だろうが贈与だろうが、どっちでもいいのではないか」

というかたもおられるかもしれませんが、

意外と頭を悩ますところなのです。

ひとくちに親から子への名義変更といっても、

相続と贈与では異なります。

まず、親が存命中に相続を「原因」として子への名義変更はできません。

存命中であれば生前贈与を「原因」とすることになります。

「原因」とは登記事項証明書に記載がある登記原因のことで

この原因が相続なのか、贈与であるのかで税金がちがってきます。

名義変更の際に登録免許税を納めるのですが、

相続であれば登録免許税は0.4%ですが、

贈与であれば登録免許税はなんと5倍の2%です。

しかも、贈与にはさらに贈与税と不動産取得税もかかります。

贈与は税金が高くつくのです。

もちろん、贈与税に関しては相続時標準課税制度を利用すれば減税することはできますし、

不動産取得税も減税することもできます。

ある程度、減税することができるとしても、相続のほうが安上がりであることはまちがいありません。

どんなケースでも相続税が発生しないかぎり、相続で所有権を移転すればいいのですが、

相続は不動産の所有者が亡くなった後でないと、名義変更はできません。

自分が死んだら、不動産の名義をおまえのものだと口約束をしていたとしても、

遺言書がないと遺産分割協議でほかの相続人が異議をとなえてくることもあり得ます。

相続による名義変更は実際に所有権が移転するまで、不安がつきまとうものです。

その点、贈与であれば、贈与者と受贈者の意思で決まるので、第三者が口をはさむ余地はありません。

また、贈与する日もピタリと決めることができるので安心です。

高くつく贈与でもメリットはあります。

それでは、今回のテーマでもありますが、結局、贈与と相続のどちらがいいのかについてですが、

結論から言うと、ケースバイケースです。

長々と書きつらねてきて、結局、わからないのかとお怒りのかたもおるかもしれませんが、

事案によります。

たとえば、相続人間の仲が悪い、まったく面識のない相続人がいるなど、

相続だと面倒なことになりそうだという場合には、いちはやく贈与で名義変更をしてしまうのも手です。

もちろん、遺言書でも効果があります。

逆に相続人同士で特にもめていないのであれば、相続でもいいわけです。

相続と贈与、

どちらがいいのかは一概には決まらないという、なんとも歯切れの悪い回答でお茶を濁しておきます。