親子ペアローンのデメリット
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住宅ローンを組むときに親子一緒にローンをというケースがあります。
いわゆる、ペアローンというものです。
ペアローンは親と子がそれぞれ契約するので、ひとりでローンを組むよりも借入額が増えるし、
住宅ローン控除もそれぞれ使えて、税制面でも有利です。
ただし、土地建物は親だけの名義とか、子だけの名義にはしないようにします。
というのは、どちらかひとりの名義にしてしまうと贈与税が別でかかってしまうからです。
もちろん、金融機関も贈与税がかかるということは知っているので、
不動産は親子でそれぞれ2分の1とか、子が3分の2で親が3分の1といった具合に
ローンの負担割合に応じて共有ということになるでしょう。
しかし、親と子が持ち合っているとしても最後はどちらか一人に所有権をまとめることを想定しているかと思います。
生前贈与によるのか相続によるのか、ケースバイケースですが、
所有権をどちらか1人にする前に、片方が亡くなってしまったら、贈与とはいかないので相続になります。
年の順からいって親が先に亡くなるパターンが多いのですが、
親が亡くなったら、子は法定相続人の第一順位なので、他の相続人と遺産分割協議がまとまれば、
問題なく、亡親の持分を子に引き継ぐことができます。
親より先に子が亡くなるということもまれですがあります。
こんなとき、少し問題があります。
というのも、亡子に子がいたら、ややこしいのですが、親からみたら孫ですね。
亡子の相続人は孫および亡子の配偶者となります。
つまり、親は相続人ではないので、相続で所有権を移転することはできないのです。
亡子の持分を親に移すには、まず、孫なり亡子の配偶者なりに相続で所有権移転させます。
その次に親に贈与で移転させるという流れになります。
亡子から孫、孫から親と名義変更を2度する必要があり、
孫から親への名義変更には贈与税と不動産取得税がかかってしまいます。
子が先に亡くなり、親に所有権移転させるケースでは登記と税金が面倒くさくなってしまうのです。
まれなケースかもしれませんが、頭に入れてほしいところです。