意思決定支援における意思決定能力
saitou
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意思決定支援とひとくちに言っても、
施設の選択といった本人に重大な影響をもたらす局面でしか支援しないのか、
あるいは、買い物などの日常生活での事実行為も支援するのか、
いったい、どこまで支援をすればいいのでしょうか。
支援の範囲に関しては、日常から意思決定支援をしていくのが望ましいです。
常日頃から支援していく中で、本人の人となりや生きてきた歴史などがわかり、
重大な決断の際の一助となるからです。
ケースごとに意思決定支援のプロセスを適切に踏んでいき、
本人が意思を表明できたら、その通りで。
どうしても意思が形成、表明できなかったら、最小限度で代行決定。
これらの手順を繰り返していきます。
意思決定支援をする際に後見人として
本人には意思決定能力があるという前提で支援を進めていきますが、
しかし、実際に意思決定能力があるのかどうか評価をしないといけません。
そもそも意思決定能力とは、いわゆる法律上の意思能力などとは異なり、
「意思決定支援ガイドライン」では以下のように定義されています。
- 意思決定に必要な情報を理解すること(情報の理解)
- 意思決定に必要な情報を記憶し保持すること(記憶保持)
- 意思決定に必要な情報を選択肢の中で比べて考えることができる(比較検討)
- 自分の意思決定を口頭又は手話その他の手段を用いて表現すること(意思の表現)
定義に沿った能力があるのかどうか評価することをアセスメントといいます。
意思決定能力の評価については留意しておくことがあります。
意思決定能力は、ケースごとに評価されます。
あるケースでは能力がないと評価されても違うケースではあるということもありえます。
意思決定能力はあるかないかの二者択一ではないということです。
また、意思決定能力は本人だけでは決まりません。本人も含めたチームの総合力です。
チームの力で本人の意思決定能力をあげることも可能です。
たとえば、失語症で言葉が出てこない状態では本人は言葉で意思表示はできません。
しかし、絵柄や図を用意し、本人が指し示すことで意思表示ができるかもしれません。
チームの存在が意思決定能力に影響するということです。
最後に意思決定を待つことも大事です。
早急に決める必要がない場合、チームで支援を尽くすことで意思決定ができることもあります。
意思決定能力を評価して、支援を尽くして、
それでも意思決定が難しい場合に
必要最小限度で、本人の選好を推定して後見人が代行決定します。