親子間で利益相反行為になる例は?

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司法書士さいとう司法書士事務所
青森市大野でさいとう司法書士事務所を経営している代表齋藤洋介です。 相続を中心として業務を行っています。 趣味は自転車(ロードバイク)、青森市内のラーメン店巡り、司馬遼太郎の小説を読むことです。
利益相反

親権者とその未成年者が一緒に相続したり、未成年者が親権者に贈与をするときには利益相反行為が問題になることがあります。

ここでは、利益相反行為とはなにか、親子間で利益相反行為になる具体例、利益相反行為に当たらないケース、特別代理人の選任について解説しています。

利益相反行為とは

そもそも利益相反行為とはなんでしょうか?

利益相反の簡単な例

まず利益相反にあたらない例を出してみます。

AさんとBさんが現金100万円を山分けすることにしたとします。

いくらずつで分けるかは話し合いです。半分ずつか7対3か、あるいは片方が全部か。

ふたりで話し合って取り分を決めたら、何の問題もありません。もちろん、利益相反行為にもあたりません。

しかし、Bさんがなにかの事情で話し合いができずに代理人を立てたとしましょう。

取り分がどうなるかは代理人にお任せというわけです。

しかも代理人をよりにもよってAさんにしてしまいました。そうするとAさんは二重の立場におかれます。

Aさんは、Aさん自身の取り分だけでなく、Bさんの分も決めることができる立場です。

半々にすることも、100万円全部持っていってしまうこともすべてAさんしだいです。

このような状況を利益相反といいます。

利益相反

利益相反行為かどうかは外形で判断

世の中に利益相反行為は結構あります。

取締役が自分の土地を会社に売ったり、(取締役は会社の代理人です。)

未成年の子が親に何かを贈与したり、(子の代理人は親)などです。

利益相反行為のなにが問題かというと、契約の内容をひとりで決めてしまうことができるからです。

つまり、自分にいいように決めてしまうおそれがあるのです。

でも、こういう反論があるかもしれません。

「ちゃんとお互いの利益を考えて決めたら、問題ないんじゃないの。」

まったくその通りです。

たとえひとりで決められるとしても、その人が公明正大な人だったらなんの問題もないのです。

しかし、その人がほんとうに公明かはあくまで内心の問題であり、外側からはかることはできません。

ですので、代理人がもう片方の相手側だったら、いいかえるとBさんの代理人が相手方Aさんだったら、

もうその時点で利益相反行為にしてしまおう、ということに学者さんとかが決めました。

つまり、内心ではなく外形で判断することにしたのです。

親子間で利益相反なら特別代理人を選任

親子間での取引が利益相反行為になるケースでは特別代理人を選任します。

特別代理人は代理人のそのまた代理人といった立場です。

利害関係のない第三者をいれて公正な取引ができるようにするために特別代理人はいます。

 

親子間で利益相反になる例

それでは、親子間での取引で過去に利益相反とされた例をあげてみましょう。

親と未成年の子がともに相続人となって遺産分割協議をする

未成年の子の代理人は親(法定代理人)ですので、利益相反です。

複数の未成年の子が相続人となって遺産分割協議をする

このケースはちょっとわかりづらいのですが、たとえばAさんの未成年の子2人(b、c)が相続人だったとしましょう。Aさんは相続人ではありません。

b、cでの遺産分割協議は利益相反にあたります。

そして、Aさんはbの法定代理人でもあり、cの法定代理人でもあります。つまり、Aさんはb、cの取り分を自分で決めることができる立場なのです。

となるとAさんがえこひいきするかもしれないので、両方の代理人になることはできません。

ですから、少なくともともひとり、特別代理人を立てないといけません。

bはAさんが、cは特別代理人となれば問題ありません。

親と複数の未成年の子が相続人となって遺産分割協議をする。

これは前のふたつのケースが重なったものです。

同じくAさんの未成年の子2人(b、c)が相続人だったとしましょう。今度はAさんも相続人です。

前のケースと同じく、b、cでの遺産分割協議は利益相反ですから、まずcの特別代理人を立てます。

しかし、それだけでは足りません。

というのも、今度はAさんとbで利益相反になるからです。ですから、bのためにも特別代理人を立てないといけません。

このケースでは、未成年の子の数だけ特別代理人を立てる必要があります。

親と未成年の子が相続人であるときに子だけが相続放棄する

子だけが相続放棄をすると親の取り分が増えるので利益相反です。

親の債務を担保するために子の名義の不動産に抵当権を設定

子の不動産を担保に親が借金をしたケースです。

親が借金を返せないと、担保に出した不動産が競売にかけられて、子は自分の不動産を失うかもしれないからです。

親と未成年子の売買または子から親への贈与

このケースでは、親がひとりで取引の内容を決めることができるので利益相反です。

 

親子間の利益相反に当たらない例

つぎに利益相反にあたらない例をあげてみます。

親から子への贈与

親が一方的に損をするので利益相反にあたりません。

親と子がいっしょに相続放棄をする

親と子がともに相続放棄をするときは利益相反になりません。ですので、特別代理人をたてる手間はありません。

親が代理して子の不動産に子が債務者の抵当権を設定する

このケースでは、あくまでも子が自分の不動産を担保に自分で借金をしたことになります。

親は手続きの代理をしたにすぎなく、子と親が取引をしたわけではありません。

親と子が共有している不動産を第三者に売る

これもさきほどの例と同じです。子と取引しているのは親ではなく、第三者です。ですから、利益相反にはなりません。

 

特別代理人を選任せずに利益相反行為をしたら | 無権代理

利益相反行為をするには特別代理人を立てないといけません。

しかし、親が特別代理人を立てないで利益相反行為をするとどうなるでしょうか?

この場合、親が勝手に代理して取引をしたという扱いにされます。

いわゆる無権代理です。

子は成人したら、無権代理でされた取引を有効にも無効にできます。

 

まとめ

  • 利益相反行為は外形で判断。
  • 利益相反行為をするには特別代理人を選任する。
  • 特別代理人を選任しないと無権代理になる。

 

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