相続人が刑務所にいる場合の遺産分割の進め方
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相続人が刑務所に在監している場合でも、相続登記による不動産の名義変更を行うことができます。
以下に一般的な手続きについて説明しますが、ケースによっては異なることもありますので、
個別の相続登記については弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。
相続人が在監しているときに相続が開始した
遺産分割協議をしたいが、相続人のひとりが刑務所に在監している場合、
本人と直接にコミュニケーションが取れない、また、在監中の人は印鑑証明書が存在しない、
といった問題があります。
特に不動産の名義変更、銀行の解約では相続人の印鑑証明書が必須となるので、
どのように遺産分割を進めればいいのか頭を悩ますことが多いです。
刑務所に在監している相続人との連絡の取り方
刑務所に在監している相続人とは、基本的に手紙のやり取りでコミュニケーションをとることになります。
遺産分割の内容についても手紙でやり取りします。
合意がとれたら、遺産分割協議書や署名押印が必要な書類も郵送で送ることになります。
仮に面会できたとしても、その場で署名押印は不可能だと考えてもいいでしょう。
遺産分割協議書への署名押印
不動産の名義変更や銀行の解約に使う遺産分割協議書には実印で押印して、印鑑証明書を添付します。
しかし、刑務所に在監中の相続人は印鑑証明書を出せないので、
代わりに指印をすることになります。
ただ、指印ですと誰の指か分からないので、刑務所長にこの指印は相続人のものだと証明してもらいます。
これを奥書証明といいます。
問題は奥書証明の申請ですが、在監中の相続人だけが申請できるので、
外部の他の相続人が奥書証明を申請することはできません。
ですので、在監中の相続人が動いてくれなければ、遺産分割が進まないという難しさがあります。
銀行の解約
銀行の解約でも、各相続人の印鑑証明書が必要となることがほとんどですが、
どの金融機関でも指印に奥書証明で足りると思います。
しかし、遺産分割を進める前に金融機関に事前に相談をしておいたほうがいいです。
金融機関によっては、指定の書類に相続人全員の署名押印が必要であったり、
奥書証明だけでなく、在監証明書が必要だと言われるとこともあります。
相続による名義変更
こちらは法務局に申請しますが、
基本的に遺産分割協議書に指印したものと奥書証明書となります。
また、委任状も同様です。
ただ、こちらも事前に法務局に相談したほうがいいかと思います。