遺留分の計算方法をわかりやすく解説します!

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司法書士さいとう司法書士事務所
青森市大野でさいとう司法書士事務所を経営している代表齋藤洋介です。 相続を中心として業務を行っています。 趣味は自転車(ロードバイク)、青森市内のラーメン店巡り、司馬遼太郎の小説を読むことです。
計算

自分の財産は自分の思い通りに使えます。当たり前ですが、、、

遺言で全財産を財団(ときには愛人も)に寄付することもできます。

しかし、推定相続人(相続人になる予定の人)には「遺留分」があるかもしれません。

遺留分とはなにか、遺留分の計算方法について解説します。

遺留分とは

民法では、配偶者、子供、兄弟姉妹などの遺産を相続する割合を決めています。

配偶者は遺産全部の半分、子供は半分のそのまた半分といった具合ですね。

この相続割合のことを法定相続分といいます。

関連記事【自分は相続人?法定相続人がわかる!

しかし、民法で決めたからと言って、その通りに分ける必要はありません。

遺産分割協議で相続人のだれか1人に遺産全部を渡してもいいですし、遺言で全財産をどこかの財団に寄付してもいいわけです。

ただ、注意しないといけないことがあります。

「遺留分」の存在です。

遺留分とは、最低限は分けておかないといけない相続分のことを言います。

たとえばまったく身内ではない人(たとえば愛人!)に「全財産を相続させる。」と遺言に書いてあったら、どうなるでしょうか。

相続人がパニックになるのは容易に想像できます。

表立っては誰も言えませんが、相続人はだれしも遺産をあてにしているものだからです。

「さすがに相続人にまったく遺産が入らないのはかわいそうだよね。」

「少しは残しておこうよ。」

という考えをカタチにしたのが遺留分という仕組みです。

 

 

遺留分権利者になる人

遺留分を主張できる人(遺留分権利者)は民法で決まっています。

以下の人たちです。

  • 配偶者
  • 直系卑属
  • 直系尊属

直系卑属とは自分からみて子供や孫のことです。

直系尊属とは親や祖父母のことです。

代襲者も遺留分権利者になります

祖父、息子、孫という場合で、息子が一番先に亡くなると、祖父の相続人は孫になります。

これを代襲相続といいます。

関連記事【代襲相続?なにそれ?

もともと息子には遺留分があったので、孫は遺留分も代襲相続します。

遺留分の割合はどれだけあるの

民法で各相続人の相続割合を決めているのと同じように遺留分にも決まりがあります。

おおまかに以下のように考えて差し支えないです。

配偶者と直系卑属が遺留分権利者になるときは、

  • 各相続人の法定相続分×2分の1

直系尊属だけが遺留分権利者になるときは、

  • 各相続人の法定相続分×3分の1

です。

 

 

遺留分権利者になれない人

 

兄弟姉妹

兄弟姉妹に遺留分はありません。

兄弟姉妹ともなるとお互いがおのおの人生を歩んで行って、人間関係も疎遠になっていくものです。

「兄弟姉妹の遺留分まであてにしてはいけない。」

というのが遺留分のない理由です。

廃除された人と相続欠格者

廃除と相続欠格はともに相続人の相続権を奪ってしまうものです。

相続人ではなくってしまうので遺留分も失います。

廃除は被相続人の感情の問題です。相続人が被相続人を虐待などしていた場合に被相続人が家庭裁判所へ廃除の申立てができるのです。

相続欠格は国家の制裁です。遺言を自分の有利なように書き換えたり、相続順位を上げるために他の相続人を殺害したら、相続権を失います。

相続放棄した人

借金を相続したくないときは相続を放棄します。

「借金は相続しません!」と借金取りに主張できるわけです。

相続放棄をしたら、もともと相続人ではなかったことになるので、当然、遺留分もなくなります。

 

 

パターンでみる遺留分計算

それではパターン別に遺留分はどれくらいになるかをみてみましょう。

すべてのケースで父(夫)が亡くなったとします。

各イラストにある分数がその人の遺留分割合となります。

たとえば、遺留分が4分の1で遺産額が1000万円だとしたら、250万円がその人の遺留分額になります。

配偶者と子

遺留分計算(配偶者と子)

母は4分の1です。

子供たちは、4分の1を頭数で割ったものになります。

子供が1人でしたら、4分の1。3人でしたら、それぞれ12分の1といった具合です。

配偶者と親(子供なし)

妻は3分の1です。

父母は6分の1を頭数で割ったものになります。

親のみ(配偶者と子供なし)

遺留分(父母)直系尊属だけが遺留分権利者になるときは、全体の遺留分は3分の1になります。

3分の1を頭数で割ったものが各人の遺留分割合になります。

配偶者と兄弟姉妹

遺留分割合(配偶者と兄弟)妻の遺留分割合は2分の1です。

兄弟姉妹はたとえ法定相続分があったとしても遺留分はありませんので注意してください。

 

遺留分の対象になる財産

被相続人が死亡した時点の財産が遺留分になります。

遺言に「誰某に金1000万円を遺贈する。」と書いてあっても、遺贈したお金は死亡した時点の財産にあたるので、遺贈も遺留分になります。

そのほかに以下のものも対象になります。

贈与

死亡する前の1年以内に被相続人が誰かに贈与したら、その贈与も遺留分の対象になります。

たとえば、平成28年3月1日に500万円を贈与、平成28年6月1日に同じく500万円を贈与して、平成29年5月1日に被相続人が亡くなったら、

6月の贈与は遺留分になりますが、3月の贈与は遺留分になりません。

ただし、遺留分権利者の遺留分を減らしてやろうと、被相続人と贈与された人の双方がくわだてて贈与契約をしたら、

1年以上前の贈与も遺留分の対象になります。

遺留分を減らす目的で不当に安い値段で売買した場合も同様です。

特別受益

マイホームの頭金とか大学の進学費用とか、生前に被相続人が相続人に資金援助をしたら、それは特別受益というものにあたります。

難しく言うと、

被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として受けた贈与

です。手っ取り早く言うとマイホームの頭金とかなんです。

特別受益にあたる贈与は大昔のものであっても遺留分の対象です。

債務

マイナスの財産、つまり、借金も遺留分の対象です。

 

 

遺留分額の計算例

遺留分計算最後に具体的に計算してみましょう。

死亡した時点でプラスの財産が1000万円で債務が300万円だったとします。

大昔にマイホームの頭金として200万円を父は姉に贈与しました。

死亡の1年以内に300万円を弟に生前贈与しました。

そうすると、

財産+特別受益+1年以内の贈与-債務=遺留分

ですので

1200万円が遺留分になります。

後はおのおのの遺留分割合をかけるとそれぞれの遺留分額になります。

 

 

まとめ

  • 兄弟姉妹、相続放棄した人、相続廃除された人、欠格者は遺留分権利者ではありません。
  • 配偶者と直系卑属が遺留分権利者のときは、それぞれの法定相続分の半分が遺留分額になります。
  • 直系尊属だけが遺留分権利者になるときは、それぞれの法定相続分の3分の1が遺留分額になります。
  • 1年以内の贈与、特別受益も遺留分になります。

 

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