青森 | 家庭裁判所での相続放棄手続きの流れ
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相続放棄をするには相続放棄申述書というものに記入をして、必要書類と一緒に家庭裁判所に持っていきます。
そもそも相続放棄は人生で一度するかしないかというぐらいまれですので、どうやってやればいいかわからない方がほとんどだと思います。
ここでは相続放棄の流れについて書いてます。
目次
相続放棄手続きの流れ
相続放棄の手続きは以下のとおりです。
- 相続放棄申述書を家庭裁判所に提出
- 家庭裁判所から回答書が送付される
- 回答書に必要事項を記入し、家庭裁判所に送付
- 受理されたら相続放棄申述受理通知書が送られてきます
ざっと以上のようになります。具体的には
まず相続放棄申述書を家庭裁判所からとりよせます。
申述書に必要な事項を書いて、そのほかの必要書類と一緒に家庭裁判所に提出します。
提出すると、家庭裁判所から回答書というものが送られてきます。
回答書に必要事項を記入して家庭裁判所に送ります。
家庭裁判所が受理したら、相続放棄申述受理通知書というものが送られてきて、相続放棄の手続きは終わりです。
相続放棄の手続きをする家庭裁判所は
相続放棄申述書を提出する家庭裁判所は、被相続人が最後に住んでいた住所を管轄する家庭裁判所です。
要は最後に住民票があったところです。
青森市内で被相続人が亡くなっていたら、青森家庭裁判所に提出します。
相続放棄申述書の書き方
相続放棄申述書の書き方は家庭裁判所のウェブサイトには記載例がのってあります。
記載例にしたがって書いていけばまず問題ありません。印鑑を押さないといけませんが、実印ではなく認め印です。
相続放棄に必要な書類
相続放棄に必要な書類は申述書以外にもあります。
亡くなった人の住民票除票か戸籍の附票
亡くなった人(被相続人)の最後に住んでいた住所を証明するために必要です。住民票除票か戸籍の附票のどちらかがあればいいです。
戸籍謄本
戸籍謄本を集めるのがもっとも骨が折れるところかもしれません。
相続関係を証明するために必要ですが、代襲相続などがあると集める戸籍謄本も多くなります。
必要な戸籍謄本は以下の通りです。
• 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
引越しをして本籍を変えたり、戸籍の様式を新しくしたりで、ひとりにつき何枚かあるのが普通です。
最低でも、現在戸籍、改製原戸籍が必要になってきます。
コツは死亡の記載のある戸籍謄本から古い戸籍をたどっていくことです。
• 相続人の戸籍謄本
相続放棄をする相続人の現在の戸籍謄本も必要です。
• 場合によって必要になる戸籍
被相続人が相続放棄する人からみてどのような関係なのかで必要な戸籍は変わってきます。
たとえば、被相続人が兄弟だったら、父母、祖父、祖母の死亡の記載がある戸籍謄本が必要ですし、
代襲相続があったら、被代襲相続人の出生から死亡までの戸籍が必要になります。
相続放棄申述書と必要書類の提出
各相続人の相続放棄申述書には800円の印紙を貼ります。
家庭裁判所がのちに回答書を郵送してきますので、それに貼る切手も事前におさめておきます。これを予納郵券といいます。
予納郵券の額は家庭裁判所によって異なるので、事前に聞いておきます。
相続放棄をすると回答書が送られてきます
相続放棄申述書と戸籍謄本を家庭裁判所に提出すると、回答書が郵送で送られてきます。
回答書とは
回答書には質問事項が書いてあります。
たとえば以下のようなものです。
「申述はあなたの真意に基づくものですか。」
「相続放棄をする理由は。」
「どういう理由で相続放棄をするのですか。」
などです。
家庭裁判所が知りたいのは、相続人が本当に相続放棄をしたいのか、法定単純追認に当たる事由がないかです。
法定単純追認に当たる事由とは、遺産分割協議をしたとか、預金を解約して使ったとかです。
回答書は家庭裁判所ごとに様式はちがいますが、だいたいは質問に答える形式になっています。
相続放棄申述受理通知書の送付
回答書を家庭裁判所に送付して、相続放棄の申立が受理されたら、手続きは完了です。
だいたい1週間から2週間で相続放棄申述受理通知書が郵送されてきます。
これで相続放棄は完了です。
あとは相続放棄申述受理通知書のコピーを債権者に送れば債務の放棄も完了です。
ちなみに相続放棄申述受理通知書は再発行できません。
いちど紛失してしまったら、それまでです。
ただし、相続放棄申述受理証明書というものもあり、これは何通でも発行してもらえるので、
もし相続放棄申述受理通知書を紛失したら、相続放棄申述受理証明書を発行してもらいます。
自分でやるか、司法書士または弁護士に依頼するか
相続放棄の手続きを自分でやるか、はたまた士業に依頼するかでお悩みのかたも多いかと思います。
相続放棄の手続きを依頼できるのは司法書士か弁護士です。
また、司法書士か弁護士でできる範囲が変わってきます。
表にしてみたので参考にしてみてください。
申述書作成 | 回答書作成 | 戸籍集め | アドバイス | |
弁護士 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
司法書士 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
弁護士は回答書を相続人に代わって記入することができますが、司法書士はできないのが唯一の相違です。
しかし、司法書士も回答書記入にあたり、アドバイスをしているので、
実際のところ、司法書士と弁護士で大きなちがいはありません。
また、士業に依頼するメリットで「アドバイス」を受けられる面もあります。
相続放棄は家庭裁判所で手続きしてそれで終わりということはまずありません。
被相続人の空き家はどうするのか、自動車はどうするのか、水道光熱費ははらってもいいのか、など
周辺の知識も必要になってきます。
そういった面も無視できない点です。