相続登記の必要書類は?
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いざ相続登記をするといっても、どのような書類が必要になるかわからずに不安かもしれません。そこで必要な書類をまとめてみましたので、参考にしてみてください。
相続登記といっても3つの登記がある
ひとくちに相続で不動産の名義を変えるといっても、相続の登記には三種類あります。
- 遺産分割協議による相続登記
- 遺贈による所有権移転登記
- 法定相続による相続登記
以上です。上記のいずれかにより、必要な書類も変わってきます。
1.遺産分割協議による相続登記とは
いわゆる遺産分割協議書を作成して相続人がハンコをおす、という一般的な相続登記になります。
2.遺贈による所有権移転登記とは
遺贈とは遺言による贈与のことをいいます。
関連記事【自筆証書遺言の正しい書き方。それじゃ無効になるかも!?】
関連記事【公正証書遺言をおすすめする理由。かかる費用も必要書類も解説します!】
遺贈による所有権移転では、遺言執行者の有無、場合によっては前提の名義変更登記で必要書類が変わります。
3.法定相続による相続登記とは
めったにないですが法定の相続分で相続登記をする場合は法定相続による相続登記となります。
関連記事【相続人の範囲と法定相続分は?】
それでは順に必要書類について解説していきます。申請書、司法書士に依頼したときの委任状については省いております。
遺産分割協議による相続登記の必要書類
遺産分割協議による相続登記に必要な書類は以下になります。
- 被相続人の生まれてから死亡までの戸籍謄本
- 相続人の戸籍謄本
- 被相続人の戸籍の附票
- 相続関係説明図
- 遺産分割協議書
- 相続人全員の印鑑証明書
- このたび相続する人の住民票
- 固定資産税評価証明書
被相続人の生まれてから死亡するまでの戸籍謄本
だいたい3通以上になることがほとんどです。
最低でも必要なのは、被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本、戸籍がコンピューター化される前に存在した戸籍謄本(改正原戸籍)、被相続人が子として記載されてある親の戸籍謄本(改正原戸籍)です。
そのほかにも引越しに伴い本籍地を変えていたら、引越し前に住んでいたところの戸籍も必要です。
要は、生まれてから死亡するまで、途切れのない数の戸籍謄本を集めることになります。
相続人の戸籍謄本
相続人全員の戸籍謄本も集めます。
ただし、被相続人が戸籍の筆頭者である場合は、配偶者や未婚の子は被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本に一緒に載っていますので、それで足ります。
二重に取得することはありません。
相続人が子と配偶者だけですと単純ですが、兄弟姉妹が相続するときは必要になる戸籍謄本も多くなります。
被相続人の戸籍の附票
戸籍の附票には、過去に住んだことのある住所が連続して記載されています。
登記簿に記載されている被相続人の住所が、その中にあれば問題ありません。
もしなければ、附票は戸籍ごとに作成されているので過去の戸籍をあたっていくことになります。
相続関係説明図
相続関係説明図とは、家系図のようなものです。
実は必要書類ではないのですが、実務では添付しています。戸籍謄本の原本を還付してほしいときに作成します。
以下の画像が実際の相続関係説明図になります。
遺産分割協議書
遺産分割協議が整ったら、遺産分割協議書を作成して相続人全員の実印を押しましょう。
土地建物だけでなく、山林や農地なども所有しているケースもあります。
取りこぼしのないように管轄の市役所の名寄帳で被相続人が所有しているすべての不動産をチェックしましょう。
相続人全員の印鑑証明書
遺産分割協議書に押印した実印の印鑑証明書も添付しないといけません。
もちろん、押印した相続人全員の分が必要です。
有効期限はありませんが、極力、新しいものを用意しましょう。
遺産分割協議書の成立した日付と印鑑証明書の発行された日付の前後も問いません。
しかし、これは余談になりますが遺産分割協議書に預金口座の記載がある場合、遺産分割協議書に記入した日付よりも以前に発行した印鑑証明書を用意しましょう。
というのも、銀行によっては後に発行されたものですと受理されないこともあるからです。
このたび相続する人の住民票
このたび不動産を相続する人の住民票も必要です。相続する人が複数いる、いわゆる共有のときは共有する人全員の住民票が必要です。
固定資産税評価証明書
登録免許税を計算するために必要です。詳しくは下記をご覧ください。
関連記事【相続登記にかかる費用は? 司法書士報酬算定の裏側も!?】
遺贈による所有権移転登記の必要書類
遺贈による所有権移転登記に必要な書類は以下になります。
- 遺言書
- 遺言者の戸籍謄本と戸籍の附票
- 登記識別情報(権利証)
- 遺言執行者の印鑑証明書
- 受贈者の住民票
- 固定資産税評価証明書
遺言書
遺言書には自筆証書遺言と公正証書遺言があります。
自筆証書遺言の場合
自筆証書遺言は検認を受ける必要があり、そのために自筆証書遺言で登記申請をするには、検認を受けたことを証明する検認済証明書も必要になります。
公正証書遺言の場合
公正証書遺言では正本が必要書類になります。正本のほかにも謄本もありますが、正本が紛失してしまったときは、謄本でも申請可能なときがあります。管轄の法務局に謄本でも可能か問い合わせるといいでしょう。
遺言者の戸籍謄本と戸籍の附票
遺言者が亡くなって遺言の効力が生じたことを証明するために遺言者の死亡日が記載されている戸籍謄本が必要です。
また、遺産分割協議による相続登記と同じく戸籍の附票も必要です。
登記識別情報(権利証)
登記識別情報とは、昔でいうところの不動産の権利証のことです。遺贈による所有権移転では必要になります。
遺言執行者の印鑑証明書
遺言書では遺言執行者、つまり、遺言の内容を実現する人が定められていることが多いです。
具体的には、相続人に代わって預金の解約をしたり、所有権移転登記の手続きをしたりします。
遺贈による所有権移転登記では、遺言執行者の印鑑証明書が必要です。
遺言執行者が定められていない場合には、代わりに相続人全員の印鑑証明書が必要となります。
受贈者の住民票
遺言により不動産をもらう人の住民票も必要書類です。
固定資産税評価証明書
登録免許税を割り出すためです。
前提として住所変更、氏名変更の登記が必要な場合がある
遺贈による所有権移転登記の場合、前提として住所変更、氏名変更の登記が必要なことがあります。
名字が変わった、引越ししたなど、遺言した人の登記簿上の住所や名字から変わっていたら、住所変更、氏名変更の登記をしないといけません。
法定相続による所有権移転に必要な書類
法定相続による所有権移転とは民法で定められた割合で各相続人が相続するものです。
関連記事【相続人の範囲と法定相続分は?】
たとえば、妻とその子ふたりが法定相続による所有権移転をしたら、妻のは2分の1、子はそれぞれ4分の1の持分割合で不動産を共有することになります。
ただ、実際はあまりみかけない登記です。
必要な書類は以下になります。
- 被相続人の生まれてから死亡までの戸籍謄本
- 相続人の戸籍謄本
- 被相続人の戸籍の附票
- 相続関係説明図
- 相続人の住民票
- 固定資産税評価証明書
遺産分割協議による相続登記とほぼ同じです。遺産分割協議書と相続人の印鑑証明書がない点がことなります。
法定相続による所有権移転は相続人の誰かひとりが代表して全員分の登記申請することができます。
逆に自分の持分だけ登記申請することはできません。あくまで全員分を一緒に移転登記しないといけません。
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