相続登記をせずに放置したらデメリットはこれだけあります

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司法書士さいとう司法書士事務所
青森市大野でさいとう司法書士事務所を経営している代表齋藤洋介です。 相続を中心として業務を行っています。 趣味は自転車(ロードバイク)、青森市内のラーメン店巡り、司馬遼太郎の小説を読むことです。
数次相続で絡まる人

近年、だれが所有者がわからない土地が増え続けているという社会問題があります。どうして所有者がわからなくなるのでしょうか。

いろいろと原因はありますが、原因のひとつに相続登記をせずに放置したため、があげられます。

土地の所有者が亡くなっても遺産分割をしないでいるとおきる問題です。

ここでは相続登記の放置で起きる問題について書いています

相続登記の放置で問題になること

相続登記の放置で問題になるのは相続人が増えてしまうことです。

昔は家督相続というものがありました。

いわゆる長男が家督を継ぐというものです。長男が財産をすべて引き継ぐので、相続人は常にひとりです。

これだと確かに相続人は増えません。

しかし、戦後、家督相続は廃止され、兄弟姉妹全員が平等に相続するという制度に改まりました。

現代の制度だと民主的で平等ですが、相続した兄弟姉妹がなくなるとさらにその子たち全員が相続します。

ですから、ねずみ算的に相続人が増えるのが現在の制度です。

相続登記の放置で起こる数次相続とは

世代間で相続が起こること数次相続といいます。

数次相続とは文字通り、相続がいくえにも重なっている状況です。

相続が発生すると、故人(被相続人)の財産や負債などを継ぐ権利(相続権)を相続人は引き継ぎますが、

いちばん初めの相続時に遺産分割をせずにそのまま放置しておいていたら、さらに相続人が亡くなってしまってその相続人の相続権がさらに相続された状況が数次相続です。

下のイラストをごらんください。

数次相続1

父が亡くなったとします。

法定相続人は、母、兄、妹、弟の4人です。

関連記事【自分は相続人?法定相続人がわかる!

法定相続分は以下の表のようになります。

  相続人   法定相続分
   母   1/2
   兄   1/6
   妹   1/6
   弟   1/6

 

 この時点で遺産分割協議をして遺産の分配をしておけば問題ありません。たとえば被相続人の不動産をだれかに相続させて登記まで済ませれば、数次相続は問題になりません。

しかし、遺産分割協議をせずに放置していて、さらに兄が亡くなってしまったら、どうなるでしょうか。

下のイラストをごらんください。

数次相続2遺産分割協議をせずに兄が亡くなると、兄の相続権も相続されます。

兄の相続人は嫁、息子、娘ですから、相続権も各人の法定相続分に割れて相続されます。

相続人と相続分は以下のようになります。

  相続人  法定相続分
   母   1/2
   妹   1/6
   弟   1/6
 兄の配偶者   1/12
 兄の息子   1/24
 兄の娘   1/24

 

かなり細かい話になりましたが、簡単に言うと父が亡くなり、その次に兄が亡くなったことで、父の遺産にたいしての相続人がさらに増えたということです。

もちろん、兄の遺産も相続されていますので、父と兄の相続が重なっている状況になっているのが数次相続ということになります。

 

相続登記で数次相続がなぜおきるのか

相続があっそのつど遺産分割協議をしたら問題にはならないのになぜ数次相続がおきるのでしょうか。

相続登記が義務ではないから

相続登記をすることが義務ではないのがひとつの原因といわれています。相続登記をしなくても罰金はないので、そのまま放置してまうわけです。

特に昔は権利者意識、つまり、「これはおれの土地だ。」と主張する世の中でもなかったので義務でもない相続登記をしなかった人も多かったようです。

不動産の価値の問題

不動産の値段が高すぎても安すぎても数次相続が起きやすいようです。

価格が10万円にも満たない不動産というのは結構あります。田んぼとか原野林です。こんな土地をわざわざ高い金を払ってまで司法書士に相続登記を依頼するでしょうか。

逆に不動産の価値が高いときも問題がおきやすいです。というのも遺産分割でもめるかもしれないからです。

 

数次相続で起きる5つのデメリット

数次相続はおもに相続登記で問題になります。

1 相続人の数が増える

数次相続になると相続人の数が増えていきます。

遺産分割協議書にはハンコを押さないといけませんので、相続人の数が増えるほど手間になります。

まして、相続人に遠縁の人がいるとほとんど他人といってもいいかもしれませんので、遺産分割協議も面倒なものとなるでしょう。

2 相続人の高齢化

認知症が進行して意思能力と判断能力が欠け遺産分割協議に参加できなくなります。

近年は、高齢化社会でこういった例が多くなっています。

くわしくは下記の記事をご覧ください

関連記事【相続登記で認知症の相続人がいたら困ることと対策の仕方

3 相続人の所在がわからなくなる

相続人の数が増えれば行方不明の人が出てくる可能性も高くなります。

遺産分割協議書を作成するには相続人全員の署名押印が必要です。

ひとりでも欠けたら成立しません。

4 取り寄せる戸籍謄本が増える

数次相続なると必要な戸籍謄本も増えます。

また、相続人も全国に散らばっている可能性が高いので、遠方の市役所とやり取りが必要になります。

5 とにかく手間がかかる。

とにかく手間がかかります。認知症の相続人がいたら、成年後見制度を使い、行方不明者がいたら失踪宣告などです。

時間と費用がかかるために自分で相続登記というのは非効率で、司法書士に依頼したほうが現実的ですが、

やはり、複雑になるので費用もかかります。

 

相続登記が義務になる?

現在、相続登記を義務にしようという議論があります。

義務ですから放置したら罰金ということになるでしょう。

実際に罰金が適用される制度になるかは不明ですが、なるべく早く相続登記を済ませるのが賢明だといえます。

 

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