数次相続とは?代襲相続とのちがいや中間省略登記も解説!

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司法書士さいとう司法書士事務所
青森市大野でさいとう司法書士事務所を経営している代表齋藤洋介です。 相続を中心として業務を行っています。 趣味は自転車(ロードバイク)、青森市内のラーメン店巡り、司馬遼太郎の小説を読むことです。
数次相続で絡まる人

近年、だれが所有者がわからない土地が増え続けているという社会問題があります。どうして所有者がわからなくなるのでしょうか。

いろいろと原因はありますが、そのうちのひとつに数次相続があります。土地の所有者が亡くなっても遺産分割をしないでいるとおきる問題です。

ここでは数次相続とはなにか、なぜ起きるのか、代襲相続とのちがい、中間省略登記について書いています。

 

数次相続とは

数次相続とは文字通り、相続がいくえにも重なっている状況をいいます。

相続が発生すると、故人(被相続人)の財産や負債などを継ぐ権利(相続権)を相続人は持ちますが、

いちばん初めの相続時に遺産分割をせずにそのまま放置しておいていたら、さらに相続人が亡くなってしまってその相続人の相続権がさらに相続された状況が数次相続です。

下のイラストをごらんください。

数次相続1

父が亡くなったとします。

法定相続人は、母、兄、妹、弟の4人です。この時点では兄の嫁は相続人ではありません。

関連記事【自分は相続人?法定相続人がわかる!

法定相続分は母が6分の3、兄弟姉妹がおのおの6分の1ずつになります。

この時点で遺産分割協議をして遺産の分配をしておけば問題ありません。たとえば被相続人の不動産をだれかに相続させて登記まで済ませれば、数次相続は問題になりません。

しかし、遺産分割協議をせずに放置していて、さらに兄が亡くなってしまったら、どうなるでしょうか。

下のイラストをごらんください。

数次相続2遺産分割協議をせずに兄が亡くなると、兄の相続権は相続されます。

兄の相続人は嫁、息子、娘ですから、相続権も各人の法定相続分に割れて相続されます。

嫁、息子、娘の法定相続分はそれぞれ、嫁4分の2、子供がそれぞれ4分の1ですから、兄が相続した法定相続分の6分の1も割れて

嫁が24分の2、子供がそれぞれ24分の1ずつ相続します。

かなり細かい話になりましたが、簡単に言うと父が亡くなり、その次に兄が亡くなったことで、父の遺産にたいしての相続人がさらに増えたということです。

特に兄の嫁(配偶者)も相続人になることにご注意ください。

もちろん、兄の遺産も相続されていますので、父と兄の相続が重なっている状況になっているのが数次相続ということになります。

 

数次相続がなぜ起きるのか

相続がおきたら、そのつど遺産分割協議をしたら問題にはならないのになぜ数次相続がおきるのでしょうか。

相続登記が義務ではないから

相続登記をすることが義務ではないのがひとつの原因といわれています。相続登記をしなくても罰金はないので、そのまま放置してまうわけです。

特に昔は権利者意識、つまり、「これはおれの土地だ。」と主張する世の中でもなかったので義務でもない相続登記をしなかった人も多かったようです。

不動産の価値の問題

不動産の値段が高すぎても安すぎても数次相続が起きやすいようです。

価格が10万円にも満たない不動産というのは結構あります。田んぼとか原野林です。こんな土地をわざわざ高い金を払ってまで司法書士に相続登記を依頼するでしょうか。

逆に不動産の価値が高いときも問題がおきやすいです。というのも遺産分割でもめるかもしれないからです。

協議が進まず合意が得られないまま放置しておいたら、相続人のうちのだれかが認知症になったとか行方不明になってしまって、

そもそも協議ができなくなってしまったというものありえる話です。

 

数次相続のなにが問題なのか

数次相続はおもに相続登記で問題になります。

先ほどのイラストでもわかるとおり、数次相続になると相続人の数が増えていきます。

遺産分割協議書には相続人全員がハンコを押さないといけませんので、相続人の数が増えるほど手間になります。

まして、相続人に遠縁の人がいるとほとんど他人といってもいいかもしれませんので、遺産分割協議も面倒なものとなるでしょう。

くわえて、前述しましたが、認知症で意思能力がなくなり遺産分割協議に参加できなかったり、行方不明の人が出てくる可能性も高くなります。

たとえば、相続した不動産を売却するにはまずは相続登記をしていま現在所有している人に名義を変えないといけませんが、

結局、数次相続になると遺産分割協議ができなくなり、不動産を売却できなくなるかもしれないのです。

 

代襲相続とのちがい

数次相続と代襲相続はよく似ているのでまぎらわしいところです。代襲相続とはなにかについては関連記事をごらんください。

関連記事【代襲相続?なにそれ?

数次相続と代襲相続とのちがいは、亡くなる順番がちがう、その結果、相続人が変わってくるという点です。

先ほどのイラストをもういちどごらんください。

数次相続2父と兄の亡くなる順番のちがいで数次相続か代襲相続になります。

下のイラストをごらんください。

 

 

数次相続3

 

父が先に亡くなったケースでは数次相続になります。

ですので、結論はいちばん初めに述べたとおりです。兄が亡くなった後の相続人は、母、弟、妹、息子、娘、です。

では次のイラストをごらんください。数次相続4兄が先に亡くなると、代襲相続になります。

ですので相続人は母、弟、妹、息子、娘です。兄の嫁は相続人にはなりません。

簡単にまとめると、家系図の上の方から順番に亡くなっていると、数次相続。逆に下のほうが先に亡くっていると代襲相続になります。

ポイントは代襲相続だと被代襲者(このケースだと兄)の配偶者(嫁)は相続人にはなりませんが、

数次相続だと配偶者(嫁)は相続人になるという点です。

 

中間省略登記について

中間省略登記とは登録免許税(登記の申請書に貼る印紙のこと)を節約するテクニックです。

数次相続のケースだとこのテクニックをつかえるときがあります。

普通、相続がおきたら、その相続ごとに登記申請します。

たとえば、祖父、父、息子といたとして、祖父、父が順に亡くなったとします。このとき、祖父から息子に直接に不動産の名義変更をすることはできません。

まずは祖父から父に名義変更をして、それから、父から息子へと名義変更をするのが原則です。

ですから、登記申請書も2度作らないといけないので、登録免許税も2度払います。あくまでこれが原則です。

しかし、ある条件を満たすと祖父から直接に息子へと名義変更ができます。

条件とは、中間の相続人が1人だけであることです。

今の例だと相続人が父だけですので、中間省略登記ができるのです。

たとえば、父のほかに父の兄弟も相続人だと中間省略登記はできません。原則通りに一件ごとに登記をしないといけません。

ただ、中間に相続人が何人いても遺産分割協議で不動産をだれか1人に相続させると決めたら、条件を満たすので中間省略登記ができます。

 

まとめ

  • 数次相続は遺産分割協議をしないでいると起きる。
  • 遺産分割協議をしない原因は不動産の価値や相続登記が義務ではないなどがある。
  • 代襲相続とのちがいは、亡くなる順番が違う、結果、相続人が違う点である。
  • 数次相続では中間省略登記がつかえ、条件は中間の相続人がひとりであること。

 

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